リズムマシンの音色を生演奏のように聴かせる研究をしていた頃がある。

これは長年1人だけの音楽活動を手がけていたことで、
良くも悪くもバンド志向の人達には共感されないことが多かった話だ。

リズムマシンの音色を、どうすればドラムセットでの生演奏を超えられるか?
真剣に探っていたことがある。

今でこそバンドにおいてもマニピュレーターが打ち込みドラムシーケンスを流しながら、
プレイヤーはクリックに合わせて演奏することが増えてきた。
まだ区別できず気づかない人も多いかもしれないが。

聴いている側にとっては生演奏と打ち込みの区別がつかないこともあると聞くし、
あえて均一のテンポを走らせることで整然とした演奏感覚になったり、
決まったテンポに合わせようとしても若干音符がずれてしまうことがあり、
逆に人間味のあるグルーヴを生み出す結果ともなる。
あるいは演奏側にとっては、一定リズムに合わせるための緊張感を生み出す効果もあるらしい。

シーケンス同期を否定し、ドラマーの感覚だけで完全なる生演奏を行うのも自由ではある。
ただし今回はその話をするのではない。

 

エーストーンのリズムマシン『リズムエース (Rhythm ACE FR-6)』を持っていたことがある。
不本意にも手放したので再度欲しいのだが。

過去にはスライアンドザファミリーストーン(Sly and the Family Stone)が、
このリズムマシンを鳴らしながらレコードにしていたこともあり、
今の時代でもライブでこのリズムパターンを伴奏に鳴らして演奏するミュージシャンがいる。

ちなみにローランドのベースラインTB-303が当初出た頃に、
商品広告で登場していたミュージシャンは、あのオスカー・ピーターソン(Oscer Peterson)である。

リズムが自動演奏できることで、恩恵を得たソロミュージシャンはたくさんいるだろう。

 

ちなみに俺のスタジオには過去こんなのもあった。

ローランドのリズムサンプラーSP-555と、ベースマシンTB-3。(TB-303の後継機)

どちらも現在手放してしまったが、1人でマシンライブセットを考えていた頃に、
手元でリズム制御できれば純粋なリズムパートとしてソロパフォーマンスできるし、
さらには将来複数人のバンドに組み込むことも視野に入れていた。
下手な生ドラムに比べたら太い音色でロックンロールできる可能性を実際に追求していた。

機械音が生音に勝てるなんてことがありえない、という常識を覆せたほうが、
明らかにロックじゃねぇかと信じていた。
人数だけ多い音量のうるさいだけのバンドよりも、
少人数の同期演奏で知性のある表現性が勝っていれば、絶対そっちを選ぶ。

こういうことをバンドを組めなかった立場での妬みとして受け取られても仕方がないが、
生ドラム至上主義者に対するDTMer視点からの反論と受け取ってもかまわない。

実際にロックバンドだから聴くとか、演奏形態で好きな曲を選んでいたわけではない。
バンドであってもソロであってもDJであっても、
このリズムマシンの音色が好きで迫力を感じるから選んでいるという確固たる理由があれば、
細かなこだわりから心を打つ作品が生まれる事実があるから。

 

今の自分はどんな演奏形態を目指しているのか?
まだ確定しているわけではないので名言できないが、
ループペダルを用いたリズム多重演奏を加えながら、
メインはキーボード(もしくはエレキギター)を弾いてソロ演奏を軸に考えている。

またはノートPCを前に置いて、手元足元でパターン切り替えやリズム音色差し替えを行ったり、
同期演奏であっても生き物のように柔軟に変えられる表現を今なお追求している。

ただカラオケを流しているだけの演奏(の振り)には、絶対にしないと決めている。
コピーバンドも面白くないので関わる気はない。

1人で完結演奏ができれば2人でも4人でも融通が利くし、
メンバー固定にしないことでその都度異なったプレイヤーとその日限りの演奏ができる。
画一した演奏しかできないのはつまらないと感じるのも確かにある。
あとは自分がバンドありき音楽趣味をまったく持ち合わせていないことも影響している。

今は大阪にいた頃のようにDJ界隈の交友は減っていて、東京に来てから全くない。
だからマシンライブをやる可能性はほぼ無いと言っていい。

生演奏を軸にした同期演奏は、過去の知識を応用できるし
オープンマイクやストリートライブでも1人で2人以上の音色を聴かせられることで
表現の幅を広げる可能性にもつながっていく。

話して説得するだけでは全く伝わらないことを知っているので、
実際に演奏例を動画に撮って伝えることにこれから挑戦したい。

 

ちなみに、エーストーンもローランドも、
当時の会社創業地は大阪の住之江であり、俺が生まれたのは同じ町内である。
幼少時にピアノを習い始めたのは、
エース電子工業改め日本ハモンドの工場の地下だった。

大人になってからそのことを思い出し、電子楽器の音色質感へのこだわりが生まれ、
どうにか当時の製品で自分だけの地域音楽を形にできないか、
独自追求を始めたのが今の音楽人生の基幹になっていった。

個展でその点を紹介したくて各製品カタログの展示をしていたものの、
あまりうまく伝えられなかった反省があった。
ただ無関心にも「バンドのほうがいいんじゃないんですか?DJで十分なのでは?」と
くだらない質問を投げかけられて混乱してしまったことがあった。

個展開催の理由や1つ1つの選択理由も、
ちゃんと言語化するべき状況になったと言っていいのかもしれない。
こういった音楽記事も書き足して、活動再開前にまとめる必要がでてきた。
今までの経歴と作品を生み出す理念を、
セルフマガジン化して配りたいのはそういった真意がある。

早期のうちに冊子制作に取りかかる。

 

しまひろふみ

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