しまひろふみの生まれは大阪市住之江区の団地である。
電子楽器メーカーのローランド(Roland)が創業した同じ町であり、
幼少時に通っていたピアノ教室は日本ハモンドという今はなき電子オルガンの工場内にあった。
その日本ハモンドは、元をたどればローランドの創業者(故 梯郁太郎氏)がそれ以前に創業したメーカー・エース電子工業だったことがわかった。

その電子音楽産業にまつわる事実を『再発見』したのが今から14年前で、
それまで大嫌いだった故郷を音楽製品の音色と重ねて新たな価値観で見るようになった。

あの頃はあえて当時の音楽機材に絞って集め始めたり、その数年後は
当時住之江区内にあった倉庫『suminoe abce』に住居兼スタジオを間借りすることにもなった。

しかし大阪ローカルでは自称ミュージシャンとして大した実績も感動も味わえないまま、何度もやめて戻っての繰り返しだった。
当時は音楽系友人にも無関心どころか誤解を招いて度々衝突し、何度も無意味なことと悔やんで集めてきた機材も手放してきた。
表現したい世界観の伝え方を確立できなかった理由が大きく、本心では軽くて浅い内容だったとは決して思っていない。

今から思えば、誰にも真似できない経歴と体験を持っていたとようやく言えるようになってきた。
それを再び(現在の)大阪が嫌いになり、今では東京暮らしなんだから運命ってわからないものだな。

東京に移ってきた2017年春当時も、全く理解されませんでした。
そんなこと相手にとってはどうでもよく、ライブすらできない、自作曲すらまともに歌えない。そんな奴音楽やってるうちに入らんと。
実際に食い止めるように指摘されて、身動き取れなくなってしまった。

だからやめました音楽。

一度はね。

いや、何度目だろう?

 

それをね、あえて展示するんです。東京で。

あの頃大阪でやってみたかった表現アイディアを、視覚化して伝える。

東京近辺の人達にとっては遠い異国の話にも見えるかもしれない、住之江時代の資料も捨てずに残していたものは合わせて展示します。
かつてのローランドのカタログ、住吉大社や南海電車など大阪湾岸にちなんだ冊子資料も一緒に置いておきます。

来年以降大阪などで、おそらく完成するであろう楽曲演奏を加えて展示することも視野に入れています。
が、求める世界観は現在の大阪には遠ざかっているため、他府県開催の可能性もあります。

あとはこの個展内容をセルフマガジン化することも考えています。
口で説明するより一目見たら伝わる配布資料として。

 

しまひろふみ個展 音づくりのアイディアを視覚化する
Visualize for making sound ideas

Cafe & Gallery Patina
https://cafepatina.jp/
〒175-0094 東京都板橋区成増3-20-16
2018年11月19日(月)〜11月25日(日)まで、11月21日(水)は定休日です。
営業時間は11:30〜19:00。
東武東上線 成増駅、もしくは東京メトロ有楽町線・副都心線 地下鉄成増駅が最寄りです。

Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/2194018604256820/

 

しまひろふみ

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